重心移動による体量配分の変化が
音楽や演奏の表現に影響しているのか、
そこに関連性が見つけられるのか、を少し考えてみようと思います。
以下のアンデス音楽のギター奏者の例を挙げて
少し考察してみました。
少々入り組んでいますので
メモの画像も併せて
考察していきます。
笹久保伸ギター演奏
◎まず、この演奏家の特徴です。
非常に独特なスタイルで、その集注点も独特です。
この人は、腰椎5番(以下、L5と略す)を後方に
突き出しながら演奏します。
大きく開かれた下肢でこの5番を中心に
両下肢をそれぞれ上下させることで情動の噴出や抑制を
中心点を移動させながら表出し、演奏に魂を入れ込んでいます。
基本的には左坐骨の底部と左足の踵~カカト側に重心を作っています。
これに余韻とタメと裏側の旋律を入れ込めるのに
右足膝を上げ、下ろすことで「L5の突き出しを仙骨から尾骨まで
降ろすことで行なっています。」この時、重心は一瞬右の坐骨底部と
右足裏に移動します。
この前半は手首の締めとひじにより胸椎10番を中心とした力点を
作っています。
また、演奏の中盤のテンポの速い盛り上がりに
まず手首を締めながら仙骨溝を引き締めて、演奏の山場に備えます。
そこからやおら右足膝、左足膝を交互に上げ下げして、尾骨に降ろしたり
L5に戻してかつ、仙骨を引き締めたり、目まぐるしく集注点の移動を
重心を離したり、移動させながらこの難所を乗り越えようと無為運動が
起っています。終盤は仙骨の溝の開き締めで対応しています。
その後、また導入部の謳わせる旋律に戻るのですが、ここで感情を
こめます。
こめます。
これを、左足膝を上げることでL5からL3,2に引き上げながら
右骨盤底部に重心を移しながら、L2の情動的な色合いを音に絡めて
いこうとしています。
いこうとしています。
以下、別便にて各パートでの詳細を解説。
①演奏時間[0:41]
右足膝上げにより、重心を右骨盤手に部に移動して
L5から仙骨、尾骨に降ろす。
②演奏時間[0:49]
同様。
③演奏時間[0:52]
左手を下におろす。
ここでそれまで肘と手首によって力点を作っていた
胸椎10,11(以下、D10と略す)の集注をL1に下ろして
いる。
いる。
④演奏時間[0:56]
ここで右足膝を上げL5から、重心を右坐骨に移動させて
中心点を仙骨から尾骨に下ろし、ヌケさせている。
⑤演奏時間[1:00]
ここでは左足を落とすことで、坐骨と左かかとに
重心を戻し、ひとつの区切りを設けている。
⑥演奏時間[1:26]
この左足膝上げ下ろしは、失敗しておりL3の捻じれを起こして
いる。
いる。
そのためハーモニクスにつまづいている。何でもない演奏であり
ながら心理的に引っかかりが生まれて、捻じれてしまったの
だろう、、。
ながら心理的に引っかかりが生まれて、捻じれてしまったの
だろう、、。
⑦演奏時間[1:34]
手首の締めにより~指の開きや全指への気の集注と緊張により
作る ~仙骨の溝を締めている。
作る ~仙骨の溝を締めている。
⑧演奏時間[1:52~2;32]
ここでめまぐるしく右足と左足の上げ下げを行なって重心を移動
させ、テンポの速い楽節を謳わせている。
させ、テンポの速い楽節を謳わせている。
この時、中心は仙骨の溝であり、これを左下肢で締め、
右下肢で尾骨に下ろしている。
⑨演奏時間[2:52]
導入部の切なげなメロデイをより情感を込めるのに
ここでは、左ひじを引き締めL5の集注点をL2からL1に
上げて、抜いている。
上げて、抜いている。
⑩演奏時間[3:38~3:53]
3:38では逆に仙骨を開いている。
情感の亢まりに仙骨を開き、L5のポイントを
上方のL2およびL1に持ってきて、謳わせている。
重心は骨盤底部の前に移動している。
終幕 演奏時間[3:52~4:22]
左足膝を上げる動作でL5からL2.L1に中心点をヌケさせる。
4:06でも同様。
終幕の4:22でL2が右に動いている、
L3はそこで捻じれて、楽曲の終わりのランディングに
少々失敗する。
少々失敗する。
素晴らしい楽曲と演奏であり、
哀切極まりない音楽が心を揺さぶる。
これほどの演奏家でも
無意識の心理的な重圧で、ちょっとした体捌きにつっかかる、、
そこがまた面白いところなのです、、。